がんばれ!新芽
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こんなことまで
一般の人も読む所に
書いて・・・・・
人の目にさらされる事に
眉をひそめる人もいるかも知れない。
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でも、私と出会ったきみきみのこの世に生まれ出でた意味を考えて
あえて、書き残そうと思った。
意外と私も記憶も薄れ、きっと忘れてしまうから・・・・。
私たちの仕事の一端も知って欲しくて書いておこうと思った。
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素敵なご夫婦で嬉しかった事も書いておこうと思ったのね。
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「無脳児」と言う言葉を知っているだろうか?
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脳の無い胎児
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医療の進んだ現代では、お腹の中にいる胎児の診断がつく。
脳が無いこと、
その外側の頭蓋骨が無いことも、
早期にわかる。
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とても早い週数でお産に持っていく。
もちろん、パパとママの納得の上で。
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用があって外来に行ったデナリは、呼び止められて、
パパとママに、入院のお産の準備してきてもらう物品を説明することになった。
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15週
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さぞかしショックで揺れているのだろうと覚悟して入った部屋の2人は、落ち着いていた。
持ってきてもらう物品を説明した。
要らぬお世話とわかっていても、
言葉を選んで、
パパに向かって
「そばに居てママを支えてあげてくださいね」
と言ってしまった。
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縁があったのだろう。
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次の夜勤に出ると、ママが入院されていた。
お産が直前にすんだところだった。
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分娩介助は、デナリの担当にはならなかった。
既に他のスタッフが
きみきみとママとパパと家族の方と面会を済ませてくれていた。
そして、花とともに白い箱に休んでいた。
箱の上には、さらに大きな花束
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きみきみは、それはそれは美しい顔をしていた。
穏やかな表情だった。
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片方の手に乗るきみきみは、とても細くて小さかった。
頑張ったね。
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人は、亡くなれば火葬される。
きみきみたちも、同じだ。
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自分たちで手配される方もいれば、
業者の方にお願いする方もいる。
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火葬場にご家族が出向く方もいる。
産後間もないママも火葬場へ出向く方もいれば、
パパやご家族だけで、ママは産後の養生の為に火葬場へ行かない方もいる。
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ママの心と体の状態次第だね。
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その状況を受け入れられているかどうかにも、左右されるよね。
時間がかかっても・・・・・・
すぐに切り替えられても・・・・・・
いづれにしても・・・
前に進むしかないんだね。
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パパとママは、前に1歩・・・進もうと2人でされていた。
表向きには、涙は見なかった。
お配りした夕食を2人で食べているのを見て、大丈夫なんだと思った。
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片時もママの傍を離れなかったパパが、とてもうれしかった。
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きっと、あなた方の元に生まれて来れて、きみきみはとっても幸せだったと思うよ。
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デナリのきみきみではないけれど、カルテに残すために写真を撮らせてもらった。
あの写真は、きみきみに気に入ってもらえただろうか?
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ようこそ、きみきみ。
きみきみのご冥福をお祈りします。
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